やまあらし距離
27年前になるが、M社主催の一泊二日の経営勉強会に参加したことがある。プログラムの中に「心理学より見た人間関係管理」と題して、関西学院大学の広田教授の講義があった。教授はドイツの哲学者ショーペンハウアーの寓話「山アラシのジレンマ」に基づき、対人関係のあり方を説いた。
その寓話とは、寒空に2匹の山アラシ(ハリネズミ)が居る。互いに身を寄せあって暖めようとするのだが、近づきすぎるとお互いの針が身体に突き刺さり苦痛を感じて離れる。離れると今度は寒さが身にしみる。それを繰り返すうちに最高に身体を温めあえる距離を見つける事が出来て寒さを凌いだ。
広田教授はこの最適の距離のことを「やまあらし距離」と名づけ、夫婦間において、親子間において、従業員との関係において、顧客との接し方において等、あらゆる人間関係について熱弁を振るわれた。その話を聞いて大きな感銘を受けた記憶がある。
その後、一度だけテレビの番組で広田先生を拝見した事があるが、それ以後の消息は知らない。あのとき以来、「やまあらし距離」と言う言葉は常に僕の頭の中にある。
4 Comments:
「やまあらしの距離」。私も、会社の研修か何かの時に聞いた記憶があります。
最近、親と子供、先生と生徒、経営者と社員、省庁と業者、そのどれもが、距離感の取りかたが間違っている(下手なのかも知れないが・・)ことが多いような気がしますね。
一度、トゲが刺さって痛い目にあってないかも知れませんね。特に親子関係においては・・。
広田教授、懐かしいです。私も「ヤマアラシ距離」の話はよく聞きました。ユニークな教授でしたね。
ご存命なら、もうかなりのお歳ではないかな?
スターアニスさん、確かに近頃の親子の間のやまあらし距離が取れていない家庭が多いように思われます。考えられないような事件が多すぎますね。
先生と生徒の間においても信頼関係がないように思います。先生の方が萎縮してしまっているようなそんな気がします。
Boobyさん、こんばんは。
広田教授をご存知でしたか。27年前に聞いた講義の中で、結婚28年目と言っておられましたので、そうですね、ご存命なら90歳近くなっておられるのではないでしょうか。
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