かくれ里

日曜日, 11月 04, 2012

冬・水・田んぼ


田んぼの生き物の力を利用して米作りを行う「ふゆみずたんぼ」が全国各地で取り組みが広まっている。自然のサイクルを利用し無農薬、無化学肥料で栽培を行うこの方法は、300年も昔から存在していた古くて新しい農法のようだ。
 
「ふゆみずたんぼ」とは、名前の通り冬の田んぼに水を張り、稲を育てる農法のことだ。稲刈り終了後田んぼに水を張り、春まで水を貯めておくと、稲の切り株やワラなどが分解し微生物や藻が発生する。これを餌とする様々な生物が集まってくる。
 
冬の田んぼは、水鳥など多くの生物でにぎわう。水鳥たちの糞はリンを多く含み、養分が豊富で肥沃な土をつくる。また微生物によって有機物を分解され、春には藻類が発生するようになる。
 
菌類と糞が適度に混ざり合った泥の細かい粒子は雑草の種を埋め込み仰草効果もある。又、害虫が発生する頃には、カエル、クモなどが活躍し農薬を使わずとも害虫を駆除してくれる。生物の生態系を維持しながら、生き物の力を借りた農法が注目されているのだ。