かくれ里

水曜日, 4月 16, 2008

くいだおれ


 京の着倒れ、大阪の食い倒れと言う。戦後まもなく、大阪の道頓堀に「くいだおれ」という屋号の食堂ビルが出来た。創業者は流行には敏感な人で、常に時代を先取りした商売していた。

 1階正面にある広告宣伝用の「くいだおれ太郎」と名前がつけられたチンドン屋の格好をした人形が大人気で、大阪の町を代表する名物となっている。全国的にも知名度が上がり、観光客が太郎見たさに来店し、太郎と記念撮影をする姿が頻繁に見られるようになった。

 しかし、創業から60年経って、売上げがピーク時の半分ぐらいになった。ビルも老朽化して来たので、今年の7月8日をもって閉店するとの発表があった。世の中が様変わりして、従来型の商売のやり方には限界があるのだろうか。

 閉店の発表を聞いて太郎を譲り受けたいと言う話が殺到しているそうだ。7月までの予約も増えている。閉店を惜しむ声が聞こえてくるようだ。