かくれ里

水曜日, 4月 30, 2008

野菜工場


 昭和60年に開催された「つくば万博」で、水耕栽培によって、一つの種から1万3千個の実をつけたトマトを見た。その技術を発展させて、現在、大規模な野菜工場が稼動している。殆どが大企業の系列会社が行っているようだが、食の安全が叫ばれている今、注目を浴びている。 

 現在の農業は、化学農薬を使って病害虫の皆殺しをめざしているが、同時に人にも害を及ぼす。有機農業は土作りなどで健全な作物を育て病害虫にかからないように工夫するが、害を及ぼすものを全滅しません。

 野菜工場では土壌を排除し、養液と化学肥料を溶かした水で水耕栽培する。空調を行い外気は原則的には入れません。完全無人化は無理なので、作業者は着替えなどでクリーンにする。しかし、完全な無菌状態ではないので病虫害が発生するとあっという間に広がってしまう。リスクも大きいようだ。

 設備費や電気代などの生産コストも高くなるので、販売価格は高くなってしまうが一年を通じて安定している。もうひとつの問題は設備機器を動かすには沢山のエネルギーが必要なことだ。野菜工場が増えれば、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が増えるのではないかとも言われている。