かくれ里

金曜日, 10月 19, 2012

灰汁


料理の本を読んでいて「灰汁」の文字に出くわして、一体何と読むのだろうと考えたことがある。「アク」と分かった時、「そうそうワラビのアクをとるときに灰を入れたな」と変に納得した覚えがある。
 
灰汁の語源には「飽く(あきる)」「あくどい」の「あく」があるようだ。この語は古くから使われていて、平安末期の書物にもみられる。江戸時代以降には「灰汁が強い」や「灰汁が抜ける」などの表現がされるようになった。
 
料理の時に出る灰汁には、肉類を茹でた時のアクと、野菜類に含まれるアクとがある。肉類のアクは、肉汁・血液で、ステーキなどで食べた場合は、肉汁が食欲をそそるが、煮たり茹でたりするときは、臭みになるため取り除く。
 
野菜類のアクの場合は、身体に良くない有害物を含むことが多く、取り除く必要がある。我が家では煮物料理をよくするので、アクは丁寧にひいている。余談だが、料理用語では、アクを取ることを、アクをひくと言うそうだ。