かくれ里

金曜日, 2月 21, 2020

野生動物による農業被害


 アフリカでのバッタによる被害のことを書いたが、日本ではイナゴの被害は時々あるが規模はそんなに大きくない。ところで、野生のシカが増えて、食害による農作物の被害額のうち、シカがしめる割合が年々大きくなってきているそうだ。  

 シカは樹皮をはぎ取って食べるため、林業への影響も甚大だ。草も大量に食べ、若い芽から食べられるので森はどんどん荒れていく。
 
 シカが増えたのは、シカ肉やシカ皮の需要が減り、ハンターたちも高齢化で捕獲数自体が減ったことも原因の様だ。温暖化などの影響で積雪が少なくなったため広範囲に歩き回って餌を求めることが出来るので、生存率が上がったこともあるのだろう。

 日本にはシカの天敵のオオカミもおらず、クマもシカを捕まえて食べないために自然淘汰は難しいが、アメリカのイエローストン国立公園で、実験的に公園内にオオカミを放ったところ、食物連鎖が正常な状態に戻り始めたと言う報告がある。人が絶滅に追いやったオオカミが、森の環境に作用していたのではと言われているようだ。