かくれ里

金曜日, 6月 30, 2006

金子みすゞ

 月日の経つのは早いものでもう6月30日。一年の半分が過ぎた。今日は僕の好きな、金子みすゞの詩を書こう。


  大 漁

      朝焼小焼だ 大漁だ 
    大羽鰯の 大漁だ。

    濱は祭りの やうだけど
    海のなかでは 何萬の
    鰯のとむらひ するだろう。


  私と小鳥と鈴と

    私が両手をひろげてみても、
    お空はちつとも飛べないが、
    飛べる小鳥は私のやうに、
    地面(じべた)を速く走れない。

    私がからだをゆすつてみても、
    きれいな音は出ないけど、
    あの鳴る鈴は私のやうに、
    たくさんな唄は知らないよ。

    鈴と、小鳥と、それから私、
    みんなちがつて、みんないい。