かくれ里

木曜日, 6月 17, 2021

G7首脳会議の成果

 

イギリスで開かれていた主要7か国首脳会議は、中国へのけん制姿勢で一致した。これまでアメリカのトランプ大統領のもとで欧米との関係がぎくしゃくしていたG7だったがバイデン大統領が、同盟国との関係を重視するのに転じるなか、一変したようだ。

 具体的な議論が進んだのは、産業競争力だけでなく軍事技術の向上に欠かせない製品や部品の供給網(サプライチェーン)で、中国への依存度を低下させることである。国家主導でハイテク産業の育成をはかる中国を相手に、G7各国は、先進国間の連携を強めて対抗していく姿勢を鮮明にした。

 安全保障の面では、台湾をめぐり、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」とする文言が盛り込まれた。台湾海峡の緊張が高まっていることを踏まえ、G7として危機感を共有した。

 新型コロナウイルスをめぐり、ワクチン10億回分に相当する支援を途上国に行うことで一致した。ワクチン外交を展開する中国への対抗意識だろう。遅れをとることで途上国の間で中国に対する支持がひろがるのを避けたい思惑があるからだ。