かくれ里

金曜日, 5月 13, 2016

日の丸家電の凋落


戦後日本の高度経済成長を牽引した家電業界が次々とアジア系の外資にのみ込まれていくのはなぜか。50年以上この業界で商売をさせてもらっていた自分にはなんとなくわかる。

家電メーカー各社は、お互いに新商品の開発を行い競い合っていても、いずれ各社は同じ様な物を作っていた。とにかく作れば売れていた時代だった。このような甘えの構造が国際競争を勝ち抜くための有効な経営戦略を打ち出すことができずに来たのだろう。

日本の弱電系家電各社の業績が低迷する中で台頭してきたのが、韓国、中国、台湾の家電メーカーである。彼らは日本が長年にわたり培ってきた技術やノウハウを習得し、国際競争力をつけてきた。

国際市場は高品質競争から低価格競争へとシフトしていった。日本メーカーはコスト競争力の強いアジア勢にはついていけなかった。その上、為替は超円高が続いていた。この度のシャープの外資導入によるテコ入れは、日本の家電業界が古い体質から脱皮するための教訓として受け止めなければなるまい。