トランジスターラジオ
昭和30年初めの頃の携帯ラジオは真空管式だった。この頃、東通工(現ソニー)からトランジスターラジオが初めて発売された。そして多くの専門メーカーがトランジスターラジオの製造に参入した。
当初は真空管ポータブルラジオより高価で性能も良くなかったが、短期間のうちに改善された。真空管式と比べて、安価な乾電池で長時間使用でき故障も少ない特徴から普及していった。
シルバーの名前で発売していた白砂電機の6石のポータブルラジオが、日本橋の喜多商店で12,800円で売っていた。これが欲しくて小遣いをはたいて買った。暫く使っていたが誰かに転売した。やがて大手メーカーが参入して来て、中小の専門メーカーは殆どが倒産した。
初期のトランジスターラジオは高価だったが、技術が進んでIC化し、どんどん安くなった。最近では1,000円も出せば感度の良いラジオが手に入る。半世紀ほどの間に世の中は大きく変わった。
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