かくれ里

日曜日, 4月 07, 2019

日の丸液晶のこれから


日本が得意としていた液晶パネル産業は今後どうなるのだろうか。2016年に鴻海精密工業の傘下に入ったシャープは中国市場で経営再建を進めて来て、4期ぶりに黒字転換し、株主への配当も再開した。
 
 しかし、先行きには暗雲が立ち込めている。テレビ販売の減少などを受けて2019年3月期は2度業績を下方修正している。テレビ販売の状況次第では再度の下方修正の懸念もささやかれている。
 
 鴻海の戴社長は「これからも液晶とソーラーに投資する」とシャープの技術力に期待するが、液晶に代わる業績ドライバーが見当たらない。中期経営計画、2020年3月期の売上高3兆2500億円、営業利益1500億円の達成も危ぶまれている。
 
 経済産業省は、国産液晶技術の存続を目指し、JDIの発足を主導したが、当初のシナリオとは異なる展開が続いた。省内にはJDIへの支援を続ければ、批判が強まる恐れがあるとして、台中連合から資本を受け入れることで大筋合意したようだ。政府の意向で再編やリストラを繰り返したJDIも、国際競争の荒波に漂流することになるのでは。