ダブル辞任
昨年夏の総選挙で、政権交代を果たした民主党鳩山政権はもろくも崩れ去った。鳩山氏が総理大臣としての資質に欠けているといわれるが、彼は彼なりに一生懸命やっていた。しかし、どこか歯車のかみ合わせが悪く、国民の支持がどんどん遠のいていったのであろう。
鳩山氏は辞任表明に先立ち、小沢一郎幹事長にも辞任を求め了承をとりつけた。それにしても、参議院選を目前して二人が辞めねばならなくなった理由は、今度改選になる参議院議員たちの悲痛な叫びからだった。彼らにとつては民主党や国の問題ではなく、自分たちの問題になっていた。
鳩山内閣の支持率が20%を切って、下降に歯止めがかからない。このままでは当選がままならない。改選組を中心に「鳩山辞めろ」の声が高まった。危機感を抱いた小沢氏は鳩山氏に辞任を求めた。首相の地位にあまり執着のない鳩山氏は、「私は辞めますが、幹事長も身を引いていただきたい」と迫ったようである。
一夜明けた鳩山氏は、晴れやかとも言えるような表情だった。これに対し、小沢氏の態度は非常に硬く対照的である。いずれにしても、これからの政局がどのように展開するのか、注目しなければなるまい。
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