かくれ里

火曜日, 7月 13, 2010

宇宙ヨット「イカロス」


 今年5月21日、金星探査機「あかつき」と一緒に打ち上げられた宇宙ヨット「イカロス」が注目されている。普通のヨットは、帆を広げ、風を受けて進むが、宇宙ヨットは太陽のエネルギーで進む。

 宇宙ヨットは、ごくわずかな運動エネルギーを持つ光の微粒子を帆に受けて飛ぶ。帆の材料は、電子基板などに使われているものと同じだが、厚さは0.0075ミリと非常に薄い。宇宙において、小さくたたんだ薄膜を14メートル四方に広げる。6月10日には無事展開に成功した。

 帆の一部には薄い膜の太陽電池が貼り付けられていて、通電を停めると帆の一部が曇りガラスのようになって受けるエネルギーをコントロール出来て姿勢を制御したり進路変更ができる。

 太陽光のエネルギーで進むアイディアは昔からあって、欧米では研究・開発が進められてはいるが、まだ誰も実現していない。その理由は、宇宙ヨットに必要な軽くて薄い帆の膜を作れなかったからだ。日本の技術がそれを可能にしたのです。小さくたたんだ膜を展開する技術は、折り紙の技が使われているそうです。

 「イカロス」は「あかつき」と一緒に金星に向かっている。半年ほどして「あかつき」は、ブレーキを掛けて金星の周遊軌道に入るが、イカロスは金星を通過して太陽の周りをまわり続ける。「イカロス」が何処へ行くかは、ソーラーセイル(帆)の軌道制御次第らしい。