上村敦之と花鳥画
昨夜から今朝にかけてのラジオ深夜便の「明日への言葉」の時間に、日本画家の上村敦之さんが出演した。昭和8年生まれの84歳だが、大変お元気そうだった。上村松園、上村松篁と続く日本画家の家系に生まれ、花鳥画一筋に描いてきた。奈良市にある自宅兼アトリエでは、320種1600羽の鳥に囲まれて美の探求を続けておられる。
花鳥画は、花と鳥を主題とする絵画で元々中国から伝わったものである。上村敦之さんが日本画を選んだのは、父の影響というより、幼いころから、キツネ、ヤギ、ウサギなどがいる家で育ち、動物や花が好きだったことがすべての原点だったとおっしゃっていた。
日本画と西洋画の違いについても語っておられた。西洋のキリスト教文化は人間中心に自然を見る。日本は自然の中に人がいる。自然に対する畏敬の念があり「一木一草に神仏宿る」のが日本の考え方で、白いふすまの真ん中に背景なく、動物の絵を描けるのが日本画の特徴だという。
僕たちが今年2月に行った平城京跡の第一次大極殿の内面壁画として、四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)を書いたときには、キトラ古墳の石室壁画の絵を参考にしたそうだ。先日は深く考えないで大極殿内部を見たが、また行く機会があれば、四神(青龍・白虎・朱雀・玄武)をゆっくり見ようと思っている。
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