かくれ里

水曜日, 5月 15, 2019

トルコ情勢


中東の大国トルコが政治の転換期に差し掛かったようだ。トルコ最大都市のイスタンブールはエルドアン大統領の出身地で、陣営の牙城である。ところが市長選挙において野党候補が勝利し市長に就任した。
 
 しかし、与党は敗北を認めず、選挙に不正があったとして、6月23日に投票をやり直すことが決まった。不正の理由は「投票所の立会人が公務員でなかった」ということから野党側は、この決定は大統領からの圧力に屈したもので、「民意を無視したものだ」として支持者が街頭に出て抗議をしている。
 
 選挙管理委員会のこの決定には、与党内からも疑問の声が上がっている他、各国政府も透明性に欠けるなどと批判的だ。政治の混乱への懸念からトルコ通貨リラは急落した。
 
 先日行われた統一地方選挙は、エルドアン政権への信任投票と位置付けられていたが、アンカラをはじめ多くの都市で敗北を喫し、イスタンブールの再選挙で再び敗れるようなことがあれば大統領にとって大きな痛手になる。これまで絶対的な権力を把握して来たエルドアン大統領の求心力にもかげりが見えてきたようだ。