かくれ里

金曜日, 7月 12, 2013

アラブの春とエジプト情勢




アラブ最大の人口を擁するエジプトの民主化が挫折しかけている。2011年1月に発生した大規模な反政府デモによって、30年に及ぶムバラーク独裁政権に終止符が打たれた。
 
2012年6月に大統領選挙が行われ、モルシ氏が選ばれて1年になるが、大統領の辞任を求める大規模なデモが発生し、大統領を支持するグループとの衝突が起こっている。モルツ氏は、軍のトップを更迭し、軍との軋轢も起こっている。
 
巻き返しの機会を伺っていた軍は、モルツ氏に辞任を迫り最終的に解任した。軍は「圧倒的多数の国民が大統領の辞任を要求している。モルツ氏を解任したのは正しい」と主張している。
 
 エジプトの民主化は振り出しに戻った。今後混乱が長期にわたって続くだろう。最悪の場合内戦状態に陥る危険性もある。軍に対しても、民主的に選ばれた大統領を解任したことで、アメリカはじめ各国の批判にさらされている。エジプトの民主化が挫折したならば、本当の意味での「アラブの春」はやってこないのではなかろうか。