かくれ里

木曜日, 3月 05, 2015

混迷のアラブ世界



 「アラブの春」と呼ばれたアラブ諸国の政変から4年が経っている。長期独裁政権が倒れ、民主国家が出来るのかと思っていたが、それどころか「国家崩壊の連鎖」ともいうべき深刻な危機が広まっている。
 
ISIL(イスラム国)をはじめとする過激派組織が各地で拡大していて、テロの脅威を世界全体に拡散させている。去年、世界で発生したテロ事件は13000件ほどあり、犠牲者は31000人にのぼっている。世界はかってなく危険な状態で、いつ、どこにいても、テロの脅威にさらされる危険な状態だ。
 
ISILが本拠地としているシリアでの内戦は収束する兆しはなく、イラクも宗派と民族の間の対立で収拾がつかない状態だ。そのようなことがISILの台頭を許す結果を招いている。
 
  中東と北アフリカの国々は4年前の政変をきっかけに内戦状態に陥り、過激派組織の巣窟となっている。人々が「アラブの春」と叫んだ出来事は、実は「アラブの悪夢」だったとも言われている。