山一最後の社長
旧四大証券の一つ、山一證券が巨額の簿外債務を抱えて20年前の本日、自主廃業を決めた。会社は消滅して1万人近い社員は散り散りになった。自主廃業を発表する記者会見において、社長の野沢正平は「私らが悪いんです。社員は悪くございません」「ですから一人でも二人でも再就職できるようお願いします」と号泣していた姿を今でも覚えている。
山一證券で勤続35年の野沢氏は、社長に就任してから巨額の違法簿外債務を抱えていることを知った。直ちにプロジェクトチームを発足させ存続を図ったが、自主廃業を決定せざるを得なかった。
自社の不正行為が発覚した際の記者会見では、無責任な発言を繰り返すなど誠意のない対応する経営トップが多い中にあって、野沢氏の行った誠実な謝罪の会見は伝説となっている。この会見によって世間の同情を集める結果となって社員たちの再就職には大いに貢献したようだ。
野沢氏は、最後の山一社長として凡そ100日勤めただけだが、その後、乞われてIT業界などに身を投じたが、2004年には証券業界に復帰した。2006年からは企業向けのセミナーの講師に招かれるなどの活動を続けている。
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