かくれ里

金曜日, 3月 16, 2018

新たな難民問題


南米の国ベネズエラが新たな難民問題の震源地になっている。ベネズエラは世界最大の原油の埋蔵量があって、経済は安定した国だったが、政権によるバラマキ政策や無理な価格統制がたたって、外貨不足に陥ったことで物価が急速に上昇している。
 
 昨年のインフレ率は2616%を記録。国民の多くが食料、医薬品の入手に苦しみ、餓死者も出ている。昨年暮れには反政府デモが発生し120人以上の市民が死亡している。
 
 このようなことから、国民は続々と隣国に脱出する事態になっている。国外に逃れる人は一日に数万人に上るとみられ、国連はすでに難民の数は150万人を超えたとしている。隣国のコロンビアやブラジルでは、急激に人々が押し寄せてくるため、混乱を恐れて入国を制限する動きも出てきている。国連は逃れた人々は難民として保護されるべきとして国際社会に対して国境を開放して強制送還を行わないよう要請した。

  ベネズエラのマドゥーロ大統領は、あくまでも強気で、国際的な支援を拒んでいる。世界の難民問題の多くは紛争が原因になっているが、ベネズエラの危機は政治が原因で、民主主義の後退が如何に国民を苦しめることになるかを見せつけている。