雇用問題
平日の午後、仕事でお客さん宅を訪問した。サラリーマンのご主人が自宅にいらっしゃる。「今日はお休みですか」と尋ねると、会社の都合で自宅待機中とのことだった。報道ではいろいろ聞いていたが、経済危機の深刻さを実感した瞬間だ。
ここのご主人のように、正規の労働者であっても安心してはおれない。ましてや、非正規の労働者は大変である。小泉政権下の構造改革で、製造現場への派遣が解禁された。しかし、企業の海外移転防止や雇用機会の拡大などの効果はあったが、今回のように急速な景気悪化に際しては「雇用の調整弁」として利用されている。
民主党など野党は、製造業派遣に対する規制強化を主張している。政府内でも行き過ぎた規制緩和の是正を求める声もあるようだ。ただ、規制強化によっては、企業の国際競争力の低下を招く懸念もあって、経済界は規制強化に強く反発しているようだ。
雇用問題は一朝一夕には片付かないと思う。日本社会の仕組みとして、企業には、正社員と非正規労働者がいる。今、問題になっている派遣労働者も非正規労働者である。企業側としては、雇用調整の比較的容易な非正規労働者を多く使うことは、経済変動の緩衝材と出来る。このあたりのバランスをどのように調整できるかが、今後の課題ではなかろうか。
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