我が国の所得倍増計画は、1960年に池田内閣の下で策定された長期経済計画である。この計画では翌1961年からの10年間に名目国民所得を倍増させることを目標に掲げたが、その後の日本経済は、計画以上の成長を果たした。
中国は第18回共産党大会で、2010年に比べ2020年までに国民の所得を倍増させると言う野心的な計画を掲げた。その為の手段の一つとして掲げたのが海洋強国だ。集近平主席は、海へ出て行って海上輸送路やエネルギーの確保。さらに漁業、国防などを発展させるべきと言っている。
海洋強国と言う目標を、国内の一般市民や軍人たち、社会全体に鼓舞している。しかし、周辺国のすべての国も海洋への進出を強化している。これは世界のトレンドだ。
こうした外国との競争に加え国内の問題も山積している。これまでの中国は単一的な社会だったが、急速な発展と共に多様化している。内部のコントロールは非常に難しい。中国の指導者たちは今、大きなジレンマに陥っているようだ。