地上波デジタルテレビ放送のことである。2001年7月25日に施行された改正電波法によって、2011年7月24日でアナログ地上波の放送が終了する。以降はアナログ方式のテレビでは放送が見られなくなる。この法律では電波の有効利用が主目的で、デジタル移行は国策として実施される。
このことをすべての国民の理解を得るため、テレビ放送を通じ、あるいは全国各地で説明会を開いている。そして、放送事業者にはアナログエリアへのデジタル放送の確実な受信カバーができるように。メーカーに低廉なデジタルチューナーの実現への取り組み。販売店にはアンテナ設置の必要性等、消費者に分かりやすい説明に取り組む。又、視聴者自身で地上デジタル放送に対応した受信機を用意し、場合によってはアンテナの取替えが必要であることを周知広報しなければならない。
アナログ停波まであと3年となって、国内の地デジ対応受信機の普及率は50%に近づいてきた。今後3年間で、被保有所帯への販売の期待が持てるが、販売店の側から見ると、益々競争が激しくなって、売上があっても利益が伴わないのが悩みの種のようだ。一方、顧客の側からすると、これからは性能が良くなり、値段が安くなってくるのでメリットはある。
しかし、問題もある。買い替えで不要になったアナログ受信機の廃棄処分をどうするか。中には使用可能なものも少なくはないだろう。処分するのには「もったいない」と言う声が聞こえてきそうだ。そして、2011年7月24日になった時点でも、様々な理由でデジタル受信機が用意できない人が予想できる。この人たちをどうするのか。色々やらねばならないことの多い3年間だ。