大塚家具と言えば高級家具の販売としては日本で著名な会社だ。この会社の経営が長期低迷に陥ったことから、経営方針について父親と娘が激しく対立している。2014年12月期は4億円の赤字で、10年前に比較すると売り上げは20%下回っている。一方ライバル会社のニトリやイケヤは順調に販売を伸ばし大塚家具を寄せ付けなくなった。
大塚家具は創業時から対面販売で高級家具を販売していたのに対し、ニトリは「安くてよい品物を」がコンセプトで、生産・流通・販売を一体化し、日本の家具市場を節間してしまった。いわばニトリは家具業界のユニクロだ。
5年前に社長に就任した創業者の娘の久美子氏は、大塚家具の販売方針を改革して、中価格帯市場に打って出ようとしたが軌道に乗らず、父親で会長の勝久氏は取締役会で久美子氏を解任したが、今年1月には再び久美子氏が返り咲いている。成長力を失った企業の責任問題と路線問題の争いだろう。
バブル崩壊以降、若年層は貧困化している。一方老人は裕福だが既に家の手当ても家具の手当ても済ませており。市場は若者向けに高級感があって安い家具が求められている。この流れに乗ったのがニトリで、堕落したのが大塚家具と言えるのではないのだろうか。