「歴代天皇総覧」を読み終えた。天皇家のルーツの概略は理解できた。天皇の生前退位を考える上において「皇室典範」は日本国憲法に基づいた皇室に関する法律である。
この皇室典範は、明治22年に大日本帝国憲法と同時に裁定された旧皇室典範に基づき、日本国憲法施行の日(昭和22年5月3日)に施行された。制定当時に日本を占領していたGHQの強い意向によるものでもある。
この法律では、皇位は皇族に属する男系の男子が継承する。天皇が崩じたときは皇嗣が直ちに即位する。となっている。と言うことで、生前の退位は認められていない。
これに関して、先日亡くなられた三笠宮様は、皇室典範改正案が衆議院に提出された時点において、「天皇の生前退位を認めない点について必要最小限の基本的人権としての譲位を考えた方が良いと思っている」と、意義を唱えられたそうだが、この意見は反映されなかった。いずれにしても天皇陛下の生前退位については慎重に審議の上、皇室典範の見直しをしなければならないと思う。