パリ協定は気候変動抑制に関する国際的な協定で、COP21が開催されたパリに於いて2015年12月に採択された。2016年9月には、中国とアメリカが同時に批准し、同年11月4日に発効することになった。
ところが、アメリカのトランプ大統領は、パリ協定は非常に不公平だとして離脱すると発表した。選挙公約を正当化したのだろうが、世界第2位のCO2排出国が抜ければ、地球温暖化対策には大きな打撃となる。
トランプ氏は先月末のG7サミットでも、各国首脳から協定に留まるように説得されていたがこれに応じなかった。声明では、「再交渉を始めて公正な協定を結びたい」とも提案したが、ドイツ、フランス、イタリアの3首脳は連名で、即座にパリ協定は再交渉できないとトランプ氏の提案を拒んだ。
温暖化対策は、世界全体が直面する共通課題として時間をかけて合意を作り上げてきた。パリ協定は、各国が目標設定と削減実行を継続的に進める仕組みだ。アメリカが「自国第一」を理由にパリ協定から抜ければ大変だ。パリ協定の規定では、離脱が可能になるのは発効から4年後の2020年11月になるようだ。