金子みすゞ
月日の経つのは早いものでもう6月30日。一年の半分が過ぎた。今日は僕の好きな、金子みすゞの詩を書こう。
大 漁
朝焼小焼だ 大漁だ
大羽鰯の 大漁だ。
濱は祭りの やうだけど
海のなかでは 何萬の
鰯のとむらひ するだろう。
私と小鳥と鈴と
私が両手をひろげてみても、
お空はちつとも飛べないが、
飛べる小鳥は私のやうに、
地面(じべた)を速く走れない。
私がからだをゆすつてみても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに、
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがつて、みんないい。